お知らせ

「空海の密教により日本人の魂を覚醒させる」第20回松南志塾_綜學勉強会を開催しました!


2023/03/05

本学勉強

こんにちは、松南志塾の豊嶋です!

 

松南志塾のOB・OGである豊嶋(インターン7期)と松葉(インターン11期)で、「綜學勉強会」を学生や20代の方向けに、月に1回のペースで開催しております。

 

この勉強会の開催の背景・目的として、現在私と松葉が綜學院(東京・京都)で月に1回林英臣先生のもとで、松南志塾の原点でもある「綜學」を自主的に学んでいるのですが、そこでの学びや、自分たちが得た気づき等を、学生や20代の若い世代の方々に対して自分のことばでお伝えし、一緒に未来や社会を良くするために切磋琢磨し合いたい!!という思いからです。

 

そして2023年2月25日(土)に第20回目を開催しました。

記念すべき第20回。気が付けばそんなにも開催してきたのかと思うと感慨深いです。^^

これからも地道に着実に続けて参ります。

 

今回は主催者含め5名(耳だけ参加1名含む)で開催することができました!!

 

ご参加の皆さま有難うございました!!

 

さて、今回のテーマは空海と密教です。

 

①空海、密教とは?

②空海の人生

③十住心論を学んでみよう

 

という構成で学んでいきました。

 

空海、真言密教とは?

まず初めに空海、そして彼が日本に広めた真言密教の概要についてお話しました。

 

空海は真言密教の開祖であり、日本・アジアが生んだ超人、天才です。彼が日本に広めた真言密教とは何か?

 

それは大日如来(宇宙の根源的な作用・働き)と直接つながり一体であること(梵我一如)に目覚めること、すなわち悟りを得る(即身成仏)ための教えであり、その悟りを得てから、世の為・人の為に思う存分、慈悲の心(大乗精神)で生きていくための教えとなります。

 

密教側から見て、密教以外の仏教の宗派を総じて「顕教」と呼んでいます。この顕教はお釈迦様という実在した人物の教えを通じて悟りを得ようとするのに対して、密教は顕教の背後にある大日如来(大宇宙の根源的な働き・作用)と、自分が直接つながっていること(梵我一如)に自覚すること(悟る)こと、つまり即身成仏を目指します。

 

但し、顕教との大きな違いとして、顕教は悟りを得ること自体を目的としているのに対して、空海が唱えた真言密教は、悟りを得ること、すなわり即身成仏となってからが、本当の人生である(世の為、人のために生きる)というスタンスを取ります。ですので、密教とは仏教の中でも、非常に熱く、情熱的な宗派になります。

 

では、どのようにして即身成仏に至るのか。詳細は割愛しますが、真言密教には即身成仏に至る修行が3つあります。(身密、口密、意密)その3密の修業によって、即身成仏に至ります。

 

空海の人生

その次に、空海の人生について学んでいきました。元々、空海は超エリートで、18歳の頃、都にある大学に通っていました。しかし、大学で学ぶ目的が立身出世のためになっていること(特に儒教)に嫌気がさした空海は大学を中退することになります。

 

その後、仏教・儒教・道教の比較、仏教の優位性を論じる「三教指帰」を24歳で書することとなります。

 

また、仏教の道を志したとはいっても、教義中心の奈良仏教にも嫌気がさし、独自で山岳修行等を行い、真理の道を求めていきます。その後、仏教の原点を追い求め、入唐することを決意しました。

 

大きな活動のターニングポイントになるのが、31歳の頃。

偉大なる人物といえども、世の中に出る前に空白期間(空海も24歳~31歳まで、約7年程度が空白、学問研鑽機関)があることは往々にしてあります。

 

そして、31歳の頃に、遣唐使船で中国に渡り、短期間で梵字(サンスクリット語)を習得、密教の第一人者であった恵果阿闍梨より密教を学び、わずかたったの半年間で密教の正統後継者となります。ここが空海が超天才と言われている所以になります。

 

そして、日本に帰国した空海は真言密教を国内に普及させていくことになるわけです。この後は割愛させて頂きますが、空海が日本にもたらした影響は多大なものがありました。その後、57歳にて、即身成仏に至るまでの10ステップを明確にした「秘密曼荼羅十住心論」を著しました。

 

十住心論

では、即身成仏(第10段階)に至るまでのステップはどのようなものになるのでしょうか。幾つか簡単にご紹介します。

 

 

第一住心:異生羝羊心(いしょうていようしん)

最初の段階。ここでは、食欲・性欲が強く、目の前の利益を貪ろうとする動物的なレベル。人間の煩悩。

マズローの6段階欲求理論においても同様の1段階目の生理的欲求に該当する内容ですね。

 

第二住心:愚童持斎心(ぐどうじさいしん)

ここでは、善心が芽生えてくる。ただし、目に見える周りに対してのみ。

⇒電車で高齢者には譲らないが、会社の上司がいれば席を譲る

人から認められたい、良く思われたい、誉められたい、自慢したい・・・という欲求が渦巻いている段階。

 

第五住心:抜業因種心(ばつごういんじゅしん)

無我の先に、自分という存在が因(直接的な原因)と、縁(間接的な原因)によって成り立っていることを知る。つまり、自分は因縁によって生かされている存在だと知る段階。

 

第八住心:一道無為心(いちどうむいしん)

全ての人に仏性があることを悟る段階。万物に仏性があるからこそ、全ての存在が尊いのだと気づく段階。ただし、なぜ万物に仏性があるのか、まだ気づいていない段階。

 

第十住心:秘密荘厳心(ひみつしょうごんしん)

即身成仏(生きているままで究極の悟りを開き仏になること)の段階。自分と大宇宙の根源(大毘盧遮那仏(マハー・ビルシャナ)=大日如来)が一体と悟る段階。

この状態は、自分が仏であることを悟り、世の為・人のために思う存分生きていく段階。

 

このような形で空海、真言密教思想を参加者の皆さまと一緒に学んでいきました。

密教の内容は奥深く、非常に難しいのですが、、、、、この学びをどう今後の人生に生かしていくのか、1人1人が考える、置き換える必要があります。

 

とある参加者は、自分が今どの段階、ステージにいるのか、照らし合せながら考えていきたいと言っていました。

是非学びを色々な形で活かしていただけましたら幸いです。

 

 

次回2023年3月25日(土)10時00分~11時30分で開催し、次は織田信長について学んでいきます。こちらも大切な学びとなりますので、ぜひお気軽にご参加ください。

 

綜學は生きていく上で、自分の軸となる大切な学びだと思いますので、学生(高校生・大学生)や、20代の方はご自由にご参加下さい。また、周りの方で興味関心がありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ頂けますと幸いです。

 

我々もまだまだ勉強の途中で未熟者ですので、引き続き真摯に綜學を学び、自分の人間力を磨きながら、少しでも自分の言葉で人に伝えられるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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