「大和言葉とは何か?」第6回 松南志塾_綜學勉強会を開催しました!
2021/09/24
本学勉強
こんにちは、松南志塾の豊嶋です!
松南志塾のOB・OGである豊嶋(インターン7期)と松葉(インターン11期)で、「綜學勉強会」を学生や20代の方向けに、月に1回のペースで開催しております。
この勉強会の開催の背景・目的として、現在私と松葉が綜學院(東京・京都)で月に1回林英臣先生のもとで、松南志塾の原点でもある「綜學」を自主的に学んでいるのですが、そこでの学びや、自分たちが得た気づき等を、学生や20代の若い世代の方々に対して自分のことばでお伝えし、一緒に未来や社会を良くするために切磋琢磨し合いたい!!という思いからです。
そして9月23日(祝日)に第6回目を開催しました。
我々を含めて、社会人、大学生など総勢6名で開催することができました。
ご参加いただきました皆さま本当にありがとうございました!!積極的にご参加いただいている皆さまと一緒に切磋琢磨できていること、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!(__)
今回は、「大和言葉 基礎編」ということで、我々が普段使っている日本語についてお話させて頂きました。
綜學は、知情意の3本柱で構成されているのですが、前回までにお話した文明法則史学は世界と日本の盛衰から、未来を見通す大局観を養うための「知」の学問でした。
今回は、日本人としての感性を養うための「情」の学問になります。
「情」の学問は古事記、大和言葉等の国学を中心とした学びとなります。これらは、荷田春満(かだのあずままろ)、賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤の四大人(しうし)によって江戸時代に研究が進み、日本中に広がっていきました。その後、日本思想家の河戸博詞先生が学術として更に発展させ、林英臣先生に受け継がれ今に至っています。
日本人を日本人たらしめる上で非常に大切な学びが研究され、今に至るまで脈々と受け継がれていることに喜びと感謝の念を抱かずにはいられません。
そして、今回の勉強会の本題である「大和言葉」に入りますが、我々が普段話している日本語の半分以上は、訓読みの「大和言葉」であり、驚くべきは、遠い遠い昔、それは1万年以上前の縄文時代頃まで遡るとも言われています。
では、そもそもなぜこの「大和言葉」をいま学ぶ必要があるのか?それは、日本人の原点ともいえる日本神話の「古事記」が大和言葉で書かれており、古事記の内容を深く理解するため、ということが理由の1つとして挙げることができるかと思います。
前回の文明法則史学(日本編)でお話させて頂いたのですが、今の日本はSS(ソーシャルシステム)と呼ばれる「政治・経済・文化」の一塊がない状態です。第二次世界大戦の敗戦とともに、明治維新から始まった近代SSが崩壊を迎え、その後実質的にアメリカの支配下にある状態です。
ついては、日本が建国の精神でもある「世界の平和」を成し遂げていくためには、まずは日本が改新される、つまり新しいSSを創ることが大事だと考えています。世界の生成発展のために大乗精神で日本が活躍する前に、日本が亡国となっては意味がありません。
SSには、大きくA型文化(少年期)、B型文化(青年期)、C型文化(壮年期)、D型文化(老年期)に分けられ、新しいSSを創る上では、まず最初にA型文化、具体的には「神話や古典の復活」が求められることが文明法則史学の研究により分かってきています。
つまり、日本人の基底文化の原点回帰とでも言える国民運動が求められ、それはつまり日本人の原点である古事記が広く浸透することが大事だと林先生は考えられています。そして、古事記で書かれているのは、大和言葉なので、古事記の深い意味を理解する上でも、大和言葉をしっかりと学んでいく必要があるというわけなんです。
勉強会では、大和言葉を学ぶ意義を最初にお伝えした上で、大和言葉(基礎)に関するお話をさせて頂きました。
特にあまり知られていない大和言葉に関する大事なポイントとしては、「48音一音一音全てに意味がある」ということでしょうか。この点は、驚かれていた人も多かったように思います。
例えば、「は」という字は、「発言・発する・出る」という意味があります。(歯、葉、刃などは全て前にでていますよね)また、「な」という字も、「なかま、馴れる、和やか」という言葉で使われるように調和を意味しています。この「は」と「な」を組み合わせると、「はな」という言葉になると思いますが、「はな」とは、「は」と「な」2つの意味が加わることで、「表面から出ていて、全体と調和するさま」を意味しています。
例えばですけど、「はな(鼻)」の場合、鼻は顔の表面から出ていて、顔の中央にあることで全体の調和がとれていますよね。野に咲く一凛の「はな(花)」も、地面から出ていて全体として調和を産み出しているようすがイメージできるかと思います。
日本語は、48音全てが母音が含まれているため(んを除く)発音が明瞭で、それに伴って一音一音の意味が生まれています。
このような大和言葉ですが、幼いころから聞いたり話したりすることで、それに伴って西洋の方とは脳の言語処理の様式が異なることが分かってきました。
日本人って、夏の鈴虫の音色を聞いて、風情を感じたりしませんか??一方、日本語が話されていない国で育った場合は、虫の音を聞いても雑音に聞こえてしまうようなんです。
これは日本人が生まれつき持っている特徴というわけではなく、縄文時代から話される大和言葉を聞き・話すことで、そのような言語以外の音(動物・虫の音、川のせせらぎ等)も、人間が発する言語と同じ脳(左脳)で処理されるようになるらしいんです。(つまり、海外出身の方でも幼少期に日本語で育った場合、そのような言語処理の脳になるようです)
これはつまり、日本語を話すことで、自然や動植物との一体感を知らず知らずのうちに養っているのが日本民族であり、いま大激動の時代にあって、世界中で地球環境が悪化する状況において、日本人が果たすべき役割があるのではないか?と感じずにはいられません。
このような形で、色々とお話させて頂きました。実際はもっといろいろ話しているのですが、割愛させて頂きます。
参加者の方からは、
『もっと大和言葉などに触れないといけないなと思いました!』
『日本語が特殊なこと。音の認知が(他国の方と)違うことを初めて知りました』
というコメントを頂きました。また、
『最近のネット文化の特徴として時代が進むにつれ、新たなコミュニケーションツールが登場するにつれて文章は要件だけを書くようになり、動画サイトでは結論だけを求める人が増えています。この現象が続くと短い表現では相手に誤解を生む確率が高くなったり、結論だけ話す事なら誰でもマネする事が出来るので、話の内容よりも、やまとことばのように言葉遣いを意識する事で新たな個性を表現する事が出来るのではないかと思いました』
というようなコメントも頂きました。
以下は前回も少し書きましたけど、SS(ソーシャルシステム)ができていない国家は、国家としての内部(骨格)が作られていない状態ですので、外圧を受けると、あっけなく滅んでしまいます。
過去の事例で見てみると、日本では、中世SS(鎌倉時代)に、元寇の攻撃を受けましたが、この頃は既に貴族政権(古代SS。奈良・平安時代)が終わり、次の武士政権(中世SS)に移行出来ていたので、国家の骨格が定まり、元寇という外圧に屈することはありませんでした。
文明転換期の今、いつ他国の侵略があってもおかしくない状況の中、日本が次のSSを確立できていないのは非常にまずい状況です。
1人1人が文明法則史学で、世界の盛衰、日本の盛衰から大局を掴み、未来を見通し、その上で自分はどのように生きるのかを考える時代に入ってきました。
今回の勉強会の内容が、少しでも人生の方針を定める上で参考になっておりましたら幸いです。
こんな感じで、自分は、「志のある人を増やす」ということを志として、林先生から学んだ事を自分の言葉でお伝えさせて頂くために、綜學勉強会を引き続き開催して参ります!!!!
次回は10月23日(土)10時~11時で開催し、大和言葉(応用編)についてお話させて頂きます。
次回の大和言葉(応用編)は、今回触れた大和言葉一音一音の意味をベースとした、日本人として思想・哲学を学ぶことで、日本人としての感性を見つめ直し、養う上で非常に大切な学びとなっております。ご関心がある方は是非お気軽にご参加ください。
綜學は生きていく上で、自分の軸となる大切な学びだと思いますので、学生(高校生・大学生)や、20代の方はご自由にご参加下さい。また、周りの方で興味関心がありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ頂けますと幸いです。
我々もまだまだ勉強の途中で未熟者ですので、引き続き真摯に綜學を学び、自分の人間力を磨きながら、少しでも自分の言葉で人に伝えられるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!
以上です。(^^♪