「明治維新から1世紀半~日本に溜まった5つの歪み」第28回松南志塾_綜學勉強会を開催しました!
2024/09/08
本学勉強
こんにちは、松南志塾の豊嶋です。
松南志塾のOB・OGである豊嶋(インターン7期)と松葉(インターン11期)で、
「綜學勉強会」を学生や20代の方向けに、月に1回のペースで開催しております。
この勉強会の開催の背景・目的として、現在豊嶋と松葉が綜學院(東京・京都)で月に1回林英臣先生のもとで、松南志塾の原点でもある「綜學」を自主的に学んでいるのですが、そこでの学びや、自分たちが得た気づき等を、学生や20代の若い世代の方々に対して自分のことばでお伝えし、一緒に未来や社会を良くするために切磋琢磨し合いたい!という思いからです。
そして2024年8月27日(火)に第28回目を開催しましたので、簡単にご報告です。
ご参加ありがとうございました!
さて、今回のテーマは、「明治維新から1世紀半~日本に溜まった5つの歪み」
について、お話させて頂きました。
日本は第二次世界大戦以降に大きく国家の在り方が変わったと思われておりますが、
実は明治維新以降に、少しずつ歪みが生じてきております。
もくじ
明治維新以降、日本の5つの歪み
①欧米中心主義
世界を制覇している欧米を崇拝し、遅れている東洋、日本を卑下する風潮が起こっていた。
②欲望民主主義
人民は王様、人民は君主。人民が王様なんだから、政治は政治家がやってくれよ!という横並びで自国に責任を持つものがいない国家となった。政治家が有権者の奴隷のようになってしまった。
本来は、民主主義ではなく、「民本主義」。吉野作造も「民本主義」を唱えていた。
③膨張資本主義
経済成長は必要。国家として経済を活発化して、お金を儲けて強くしないといけない。でも、右肩上がりの無限成長はありえない。地球は有限であり、有限の中で「無限成長」は本来あり得ない。
経済活動において、「合理性・効率性」、利益を求め過ぎた。
④東京一極集中
地方の優秀な人材はひたすら東京にいった。国家の中枢機能も、全て東京。地方の衰退。
➾関西圏に副首都機能を設けることで、東京で災害があった際のリスク分散。
➾外交実務が東京で行い、国賓のもてなしは京都で行う形で、東京都地方の連携が大事。
⑤部分対立思想
西洋から入ってきた弁証法は、2つの対立構造(二元対立)があり、それを越えるものを導いていこうとする考え方。対立関係は、全体の中で色々な関係性がある中で、一部分にすぎない。
➾東洋・日本では、「陰陽共生、二元共生」の考え。東洋・日本思想の広がりが大事。
今の日本は国家の長期ビジョン、国是がなく、ただその場その場の対処療法になっておりますが、
今後はこれらの歪みを是正すべく、以下3つを国是三綱領として林先生は掲げられています。
国是三綱領について
①共生文明の創造
人と人、人と自然、国と国、東洋と西洋が共生する文明・時代を創ること
②高徳国家の建設
「今だけ、金だけ、自分だけ」ではなく、周りの人や未来に想いを馳せられる徳に溢れた人財の育成、国家建設
③公益経済の確立
私益膨脹主義、一部の人だけが富を享受する資本主義から、「公益経済」、「公益資本主義」の時代転換。
<まとめ>
このような国家100年の計、国是をベースとした国家づくりが急務です。
世界平和、愛と誠と調和な世界へと導く使命が日本にはありますが、当の自国がボロボロでは他国に貢献することもできません。
まずは、日本の5つの歪みの解消そして、そのためにも国是三綱領を目指した国家運営が求められて参ります。
この3つの国是も何か新しいことを言っているのではなく、元来の日本・日本人が大切にしてきたものだと思います。
答えは外ではなく、足元にあります。足元に宝物は眠っているわけです。それを掘り起こし、新しい日本の世直しをしていく。
2025年~は、文明法則史的にも東洋と西洋が入れ替わる大激動の時代、その中でも「最激動」の時代に入って参ります。
政治家だけでも変えられません、国民1人1人の意識と行動が肝となります。
今回の勉強会では、非常に大きな視点での学びでしたが、日々せわしなく生きていると目の前の課題、短期的な視点にどうしてもなってしまいます。このように大局観を養う学びを定期的に行うことは大切だと改めて実感しました。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。