自分の現在地を知る、2日間の夏休み合宿を開催!
2024/07/31
浜村ゼミ
自分の現在地を知る。いわゆる、自分の人生を振り返り、今に至った経緯を知ることは大切なことだと考えています。例えるならば、地図上で現在地を探すとき、辿ってきた道のりを一つ一つ思い出しますよね。そういう行いのことです。
7月22日〜23日。世間はすっかり夏盛りで蝉の大合唱が騒がしい中、2日間にわたって浜村ゼミの合宿を開催しました。参加してくれたのは地元の高校生。この半年間、月に1〜2回のオンライン個別指導に取り組んできました。特に力を入れて取り組んできたのは、キャリア教育です。勉強、部活、学校行事、塾や習い事、友人付き合いや恋愛など、高校生というのは、昔も今も忙しいものです。それでも、自分が納得のいける人生を歩めるように、少し立ち止まって自分のことについて考える時間を作ってほしいという思いで、始めました。
今回の合宿は半年間の集大成です。そのテーマに選んだのが「自分の現在地を知る」でした。なぜこのテーマにしたのか。それは、今に至った経緯を知ることで、自分の確固たる信念を見つけてほしかったからです。これからの時代を生き抜くためには、この信念を持っていなければならない、そう私は感じています。
2日間の合宿はこんなスケジュールで進みました。
オリエンテーションで、今回の合宿の目的とテーマを共有した後、3つのワークに取り組みました。
- マインドマップを使って整理しよう!
- 五感と感情の描写ワークショップ
- 時間内に成果を出すためのタスク管理法
これら3つのワークで習ったことを存分に駆使して、成果発表に向けて自分で準備を進めていきます。成果発表のお題は「17年間の経験を語るスピーチ」を作成することです。
最初は「こんなん余裕、1時間あれば出来る」と完全に自分の実力を買い被っていた高校生。1時間経って様子を伺うと、余裕だった表情はすっかり険しくなり、頭を抱えてしまっていました。
「難しい。自分のことやのにわからない。」
そう嘆く彼に対して、いくつかの問いかけをしてみました。
・今までで一番自分が成長したなと思う時期はいつ?
・その時期にはどんな出来事があった?具体的に教えて
・その出来事のBeforeとAfterを教えて
・その出来事を通して、今の自分にも通じる気づきや学びは何?
すると、彼はその時のことをありありと教えてくれました。
・今までで一番自分が成長したなと思う時期は、小学4年生の頃。
・小学生の頃、僕は本が大好きな少年だった。
・休み時間も本を読んでいたので、友だちが声をかけてきても、本に夢中で返事をしなかった。
・そんな僕にも転機が訪れる。小学4年生の時に「歴史部」に入部した。
・歴史部とは、その名の通り、歴史について調べる部活である。
・その活動の中でも特に印象的だったのは、博物館などを訪れ、古代の人たちの生活を体験することだった。
・こうした活動が本当に楽しくて、僕は歴史部の部長になって、もっと楽しくしたいと思うようになった。
・人に興味がなく、本ばかり読んでいた僕を知っている親からすると有り得ないほどの変わりようだったと思う。
・部長になってから、また新たな楽しさを覚えるようになった。
・それは、後輩の面倒を見ることだ。歴史を教えることだけではない。普段の何気ない会話の中で、後輩の話を聞いたり、部長としてアドバイスすることに充実感を覚えていた。
・今になってわかることは、年下の面倒を見ることは決してその時から好きだったわけではない。
・僕には二人の妹や、年下の従兄弟たちがいる。幼少期からずっと、年長者として年下の子たちの面倒を見てきていた。
・自分としては当たり前だと思っていた習慣が、実は自分の楽しさややりがいに繋がっていることに気づいた。
・中学や高校に進学してからも、あらゆる場面でリーダーをしている。
・今でも後輩の面倒を見ることは楽しい。
・部長でもなく、歴史部にも入っていなかったら、きっと自分が本来持っていた、この楽しさに気づくことはできなかったと思う。
・「人に興味がないのが自分」だと決めつけていなくてよかった。とりあえずやってみる!ことは大事。
彼は自分の話をしていくうちに、表情が明るくなっていきました。おそらく、本当の自分が見つけられた喜びの瞬間だったんだと思います。
正直なところ、今回の合宿で信念を見つけることまで出来ないだろうと思っていました。しかし、彼は見事に信念の素地を見つけたのです。つまり、自分よりも年下の人たちの面倒を見る事が、もしかしたら自分の役割なのかもしれないと。
対話の途中で、カッコいい言葉で繕ろうとしていた彼を一度指摘しました。そんなことは、全く意味がないと。論語においても「巧言令色鮮なし仁」という言葉ある通り、上手く飾られた言葉ほど、自分にとっても、そして相手にとっても、響かない言葉はありません。彼にはこれからも、諦めず考え続け、自分の本当の気持ちに素直に、何事も取り組んでほしいなと思います。
今回の合宿を通して、やはり、今の高校生には「伴走者」の存在は必要だと感じました。高校生は忙しい、だからどうしても目の前のことばかりに集中してしまう。将来のことを考えないといけないのはわかっているけど、どう考えたら良いかわからない。そういう時に、伴走者として、適切に彼らに問いかけ、導いていくことが、私に課せられた役目なのかなと感じています。
これからも、中高生たちの伴走者として、彼らの成長に貢献していきたいと思っていますので、浜村ゼミの今後の活動にもぜひご期待ください!