3000人以上の弟子がいた?幕末志士に莫大の影響を与えた大先生、佐藤一斎が遺した言葉@第17回志士かまくら2024.02
2024/02/17
志士かまくら
こんにちは、松南志塾の豊嶋です!
2月度に志士かまくらを開催しました!
2月11日(日)に実施した、通算17回目の「志士かまくら」についてご報告になります!^^
(1月度はお休みとなりました)
今回のブログは南方さんです!!
===========================================
みなさん、こんにちは!
志士かまくらで学んでいるゆりです🌿🌿
今回もありがたく、Blogのお役をいただきました!
志士かまくらは毎月第2日曜日に定期的に開催しているのですが、
鎌倉で60年に一度行われる洪鐘祭、日本建国記念日(今回)と
日本の歴史ある日にたまたま巡り合わせで開催されており、なんだか運命的なものを
勝手に感じております。
本日は、セルフ座禅(いつもご指導いただく住職山名田さんが建国記念日で予定があり不在だったため)と、
お寺の本堂のお掃除をさせていただきました。
座禅は静寂に身を置き、自分の呼吸に耳を傾ける時間は、「あぁ、自分は今生きているんだ」と体全身で感じることができ、
気持ちよく学びに取り組むことができました。
今回のテーマは「言志四録」でした。
言志四録は四編あり(言志録・言志後録、言志晩録、言志耋録)、
幕末志士に多大な影響を与えた愛読書です!!
この書籍を書いた方は「佐藤一斎」さんです。
大河ドラマなどで取り上げられたことはないですが、
佐藤一斎先生がいなければ幕末志士は誕生しなかったのではないかと言われるほど、
教育者として日本を影から支えた立役者です。
主に朱子学、陽明学の学問の研究を進め、と同時に3000人以上の弟子(直弟子、孫弟子含む)を育てました。
弟子の中の一人に「佐久間象山」先生がおり、佐久間象山先生によって、吉田松陰、勝海舟、坂本龍馬が育ち、
「吉田松陰」先生によって、松下村塾にて明治維新の立役者となった幕末志士たちが育ちました。
佐藤一斎先生がまとめてくださった言葉が全部で1133項目もあるので、
本日はいくつか抜粋したものについて志士かま部で深堀りを行いました。
実際の言葉・現代語訳・志士かま視点で抑えたいところを順に紹介いたします!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【1】発奮せよ
<実際の言葉>
憤(ふん)の一字は、是れ進学の機関なり。
舜何人(しゅんなんぴと)ぞや、
予(われ)何人ぞやとは、まさに是れ憤なり。
<現代訳>
「心に発憤する」という意味の“憤”の一字は、人が学問に進んでいくための最も必要な道具ともいえる。
かの顔淵(がんえん)が「舜も自分も同じ人間だ。大志をいだいて励むならば、舜の如き人物になれるぞ」といったことは、
まさしく憤ということである。
<ポイント>
求める心、何か知りたい、極めたい、このままではダメだという問題意識を強く持つこと(発奮)が大事であり、
それがちゃんとあるかどうかで、後々大きな差となりますし、またそれがあれば成長できるということです。
なお、かの有名な橋本左内の「啓発録」の2つ目は、「氣振=氣を振るう」とあります。
まずは、気持ちを奮い立たせることが肝要と書かれているわけですが、まさに佐藤一斎さんの内容とも被ります。
(ちなみに左内さんが啓発録を書かれたのは当時私たちの年代でいうと中学生頃です)
【2】学問の目的は自己確立と立志
<実際の言葉>
学(がく)は立志より要なるは莫(な)し。
而(しこう)して、立志も亦之れを強(し)うるに非らず。
只だ本心の好む所に従うのみ。
<現代語訳>
学問をするには、志を立て、これ(志)を達成するためには心を奮い立たせることが大事である。
しかも、その志は人から言われたものではなく、自分の本心から出たものでなければならない。
<ポイント>
江戸時代は、学問の目的は「志を立てること」、「自己を磨き、志を実現させること」にありました。
また志を立てることは大事ですが、志を立てたとしてもそれで終わりではなく、
いつでも自身の志を思い返し、熱い思いを奮い立たせること、自己を磨くことが大事だと学びました。
橋本左内の啓発録の3つ目にも、「立志」とあります。志を打ち立てることがまずは大事ですね。
【3】古今第一等の人物を目指せ
<実際の言葉>
世間第一等の人物と為らんと欲するは、其の志小ならず。余は則ち以て猶お小なりと為す。
世間には生民衆(おお)しと雖も、而も数に限り有り。前古已に死せし人の如きは、則ち今に幾万倍せり。(中略)
是に於て我が為したる所を以て、諸(これ)を古人に校(くら)ぶれば、比数するに足る者無し。
是則ち愧(は)ずべし。故に志有る者は、要は当に古今第一等の人物を以て自ら期すべし。
<現代語訳>
「今の時代で名を残す人」になろうとするのは志が小さいとは言わないが、まだ小さいと私は断言したい。
この世の中に生きている人が多いとはいっても、その人口には限りがある。過去すでに亡くなった人は、今を生きている人の数倍である。
私が今までなしたことと、過去の偉人とは比べ物にはならない。これは恥ずかしいことである。
なので、志を立てる人は、「歴史に名を残す人」を目指すべきである。
<ポイント>
過去の偉人と自分を比べ、どうせやるなら、古今第一等の人物(歴史に名を残す人)を目指そう!という想いで生きることと捉えました。
また佐藤一斎さんは志を立て、達成するために学問がある(自分を磨く)と説いているので、
立てた志に生きること(世のため、人のためになる行動)が、最初は自分の周りにいる身近な家族、友達であっても、
学問を学び続け、自分を磨き、志を拡大させること(徐々に「誰のため」の部分、我がごとの範囲を拡大させて生きる事)によって、
結果的に「歴史に名を残す人」に繋がったりするのではないかと考えます。
【4】若い内に志を立て学問に励む
<実際の言葉>
人は少壮の時に方(あた)りては、惜陰を知らず。四十を過ぎて已後、始めて惜陰を知る。既に知るの時
は、精力漸く(ようやく)耗せり。故に人の学を為(おさ)むるには、須らく時に及びて立志勉励するを要すべ
し。しからざれば則ち百たび悔ゆとも亦竟(つい)に益無からむ。
<現代語訳>
人は若い時は時間を惜しむこと(惜陰)を知らない。40歳以後に残された時間がないことを知る。
その頃には気力は衰えてきている。
よって、ヒトが学問を修めていくには、時を逃がさずに、若いうちから志を立てて学問に励むことが大事。
そうしないと、百回後悔しても無益で終わってしまう。
<ポイント>
今から10年後の自分を想像してみてはいかがでしょうか。今はまだ10歳若い、断然若いと感じると思います。
そして、10年後の自分から見れば、「今立つべきである」ということがわかり、
『若いからこそ、思い切ったことができるんだ』と投げかけてくださっています。
なお、橋本佐内の「啓発録」の4つ目が、「學を勉む」とあります。
志を立てることが大事ですが、終わりではなく、そこから自分を磨くために、
若い内から常に学び続けることが大事だと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私も学生卒業後あっとう間に25歳になる年を迎えております。
また最近は、文明転換期を迎え、世界・日本中で災害、天災、戦争が起きたり、
祖父が天国に旅立ったりと自分の「死」について改めて考える時間がありました。
いつどこで何が起こるかわからないからこそ、頂いた命を活かすためにも、自己と向き合い、誰のため、何のために生きるのか、
そのためにどんな学びが必要なのか真剣に考えることは重要であると、
佐藤一斎先生は、200年後に生きる私たちに訴えかけてくださっているように受け取りました。
いかがでしたか?
志士かまくらでの学びを深めれば深めるほど、
人間としての在り方を後世に言葉として受け継いでくださった先人の方々に感謝の気持ちでいっぱいになります。
学んだことは日々の生活に置き換えることを徹底し、取り組んで参ります!
ご拝読いただきまして、ありがとうございました。
最近、ちまたでは、日本人の原点に立ち返ろう。という動きが活発化していると感じており、
私自身もここ2年間で自分のルーツについて、調べたりして、より一層面白い国に生まれてきたなぁって、さらに誇りを持っております。
今、後世もずっと繁栄し続けられる国づくりをするためには、こういった考え方、価値観を後世に受け継いでいくことの重要性を感じます。
少しでも興味を持ってくださった方、ぜひ日本の偉人がどんな言葉を私たちに残してくださったのか、調べたりしてみてくださいね!
ではまたお会いしましょう!😊