お知らせ

「日本の天才外交家 小村寿太郎の生き様・胆力に触れる」第22回松南志塾_綜學勉強会を開催しました!


2023/09/25

本学勉強

こんにちは、松南志塾の豊嶋です!

 

松南志塾のOB・OGである豊嶋(インターン7期)と松葉(インターン11期)で、「綜學勉強会」を学生や20代の方向けに、月に1回のペースで開催しております。

 

この勉強会の開催の背景・目的として、現在私と松葉が綜學院(東京・京都)で月に1回林英臣先生のもとで、松南志塾の原点でもある「綜學」を自主的に学んでいるのですが、そこでの学びや、自分たちが得た気づき等を、学生や20代の若い世代の方々に対して自分のことばでお伝えし、一緒に未来や社会を良くするために切磋琢磨し合いたい!!という思いからです。

 

そして2023年9月24日(土)に第22回目を開催しました。

 

今回は主催者含め3名で開催いたしました!!

 

少人数でしたが、それゆえに普段よりも話が沢山でき、有意義な時間を過ごすことができました。

ご参加下さった方(志士かまくらでもお馴染みの森口さんです!)有難うございました!!

 

さて、今回のテーマは明治時代を生きた天才外交家「小村寿太郎」です。

  

中々聞いたことがないorあまり知られていない人物ではありますが、その実績や生き様・人としての器量は、激動の今を生きる我々が学ぶべきポイントが沢山あります。

 

①小村寿太郎とは?

②小村寿太郎の実績

③小村寿太郎の人物像(書籍「骨肉」を通じて)

 

という構成で学んでいきました。

 

小村寿太郎とは?

まず始めに小村寿太郎について概要をお話しました。

 

小村寿太郎は、激動の明治時代を生きた日本の頭脳、世界に誇るべき天才的な外交官です。

  

当時の世界は、欧米列強の植民地化が進み、その手はアジアにも及んでいました。 

また、ロシアも不凍港を求め南下政策を進める中で、清国(中国)にはロシアに抵抗できる程の力がない。

このままいけば、日本も危ないという危機的な状況。

 

そういった複雑な国際情勢を読み解きながら、日清戦争(1894年)頃~明治時代終わり頃までの、

日本が進むべき針路を決めていったのが小村寿太郎です。

  

世界全体を俯瞰的に捉え、核心を掴み、また世界情勢の流れを掴む力を持っていた、

日本史上、過去類を見ないほど(トップクラスの)卓越した日本の政治家(外交官)なのです。

 

小村寿太郎の実績

その次に、具体的な小村寿太郎の活動・実績を学んでいきました。

 

◆清国と国交断絶を実行(清国臨時公使時代、38歳~39歳)

ロシアの南下政策に対して、清国には抗う力がないことを判断。

南下政策を抑えるには、清国と戦わないといけないと悟り、訓令を待たずして国交断絶。

 

▼日英同盟の調印を成し遂げる(外務大臣1回目、46~51歳)

日清戦争の後、ロシアの戦争も避けられないことが分かり、イギリスと同盟関係を結ぶ。
イギリスも、ロシアの南下政策を止めないといけないと分かっていたので日本と同盟を結んだ。

 

▼関税自主権の回復、韓国併合、米、英、独、仏と通商航海条約を調印(外務大臣2回目、53歳~56歳)

・日本の悲願でもある関税自主権(不平等条約)の回復。

・韓国は非常に劣悪な状況であり、韓国併合するしかなかった。日本としては資金的にも損だが、アジア防衛のために韓国を併合。

・ロシアと協約を結び、米・英・独・仏と通商航海条約を結んだ。あらゆる国と実質的な同盟関係を結んで亡くなる。

 

小村寿太郎の人物像(書籍「骨肉」を通じて)

外交官として実績を数多く残してきた小村寿太郎ですが、人物的にも器量があり、武士道精神を貫いた立派な人物でした。

  

その小村寿太郎の人物像を「骨肉」という書籍を基に解説していきました。

  

骨肉とは、自らを語ることの少なかった小村寿太郎の一生と、その家族の歴史を、二男である小村捷治(こむらしょうじ)がまとめていたものです。肉親であればこその知見が随処に入り、 時代証言としても貴重な書籍です。

 

非常に分厚い本ですので、限られた時間で全て紹介はできず、5つにポイントを絞ってお話をしました。

 

① 大事な原点は幼少・青年期にあり

② 困難を乗り越え使命に生きる

③ 日本人としての誇りと信念

④ 無私・無欲に生きる

⑤ 忙中閑あり。忙しい中でこそ、坐禅&内省する

 

こちらのブログには、1つだけ紹介で記載させて頂きます。

 

④無私・無欲に生きる

<実際の文章>

侯爵(小村寿太郎)の清廉と淡白と無欲とは有名なものであります。

  

どんな物を贈られましても包紙を開いて中身を御覧になったことはありませんでした。

素よりどんな物を貰っても、お喜びになることもなかったのです。

  

殊に私が成る程偉い方は違うものであると、今でも感心に堪えませんのは、侯爵は、どんな勲章を頂きましても、ちっとも喜ばれたことはなく、朝鮮の最高勲章は、箱に入れたっきりで終い、一度もこれを胸に著けられたことはなく・・(中略)

  

侯爵の真意は、唯国家に尽くして死にたいと謂うのであったのです。

さもなければ、華族に列せられましたときに少し位は嬉しい顔色をする筈であります。

 

<ポイント解説>

小村寿太郎は、無私・無欲の人であり、自分自身の地位・名誉など一切気にしない人物でした。

 

江戸無血開城の立役者の1人、剣・禅・書の達人でもある山岡鉄舟を評して西郷隆盛は、「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困る」と言っておりましたが、まさに小村寿太郎もそのような「無私・無欲」の人物でした。

 

自分のことよりも、ただ世の為、人の為。特に日本の未来を案じて生き、そして亡くなっていった人物です。

 

現代の世の中は、「今だけ、金だけ、自分だけ」が蔓延している社会ですが、小村寿太郎のような「誠」一心による生き様に、大いに学ぶべきことがあると思います。

  

真言密教の中に、「大欲清浄」という言葉があります。

  

自分のつまらない小欲(地位・名誉など)ではなく、大欲(世の為、人の為)に生きるという意味ですが、改めて自分も小村寿太郎のような「大欲」に生きる人物を目指して生きていきたいと感じました。

 

 

次回2023年10月28日(土)10時00分~11時30分で開催し、次は「大国民読本」について学んでいきます。こちらも大切な学びとなりますので、ぜひお気軽にご参加ください。

 

綜學は生きていく上で、自分の軸となる大切な学びだと思いますので、学生(高校生・大学生)や、20代の方はご自由にご参加下さい。また、周りの方で興味関心がありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ頂けますと幸いです。

 

我々もまだまだ勉強の途中で未熟者ですので、引き続き真摯に綜學を学び、自分の人間力を磨きながら、少しでも自分の言葉で人に伝えられるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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