「公益経営、公益経済のヒントは足元にあった」第12回 松南志塾_綜學勉強会を開催しました!
2022/03/27
本学勉強
こんにちは、松南志塾の豊嶋です!
松南志塾のOB・OGである豊嶋(インターン7期)と松葉(インターン11期)で、「綜學勉強会」を学生や20代の方向けに、月に1回のペースで開催しております。
この勉強会の開催の背景・目的として、現在私と松葉が綜學院(東京・京都)で月に1回林英臣先生のもとで、松南志塾の原点でもある「綜學」を自主的に学んでいるのですが、そこでの学びや、自分たちが得た気づき等を、学生や20代の若い世代の方々に対して自分のことばでお伝えし、一緒に未来や社会を良くするために切磋琢磨し合いたい!!という思いからです。
そして3月26日(土)に第12回目を開催しました。
今回は主催者含め(耳だけ参加含む)10名で開催することができました!!
お越しいただきました皆さま本当に有難うございました!!
今回は「明治維新以降150年間の日本の歪み」と、林英臣先生が提唱する今後日本が目指すべき「国是三綱領」の内容についてお話しました。
日本は明治維新以降「殖産興業」を国是に掲げて、西洋型の資本主義を取り入れ物質文明を築いてきました。
年月をかけて先人の努力と功績によって、現在の豊かな生活が成り立っています。
しかし、現在の日本は、目指すべき大方針(国是)というものがなく、また西洋型の資本主義では物質的な豊かさはあるものの、精神的な豊かさに乏しいのが現状です。更に、一部の人に富が偏って、ステークホルダー全ての幸福に繋がっていないのが現状です。
そこで林先生が提唱されております国是の1つ、「公益経済の確立」について、渋沢栄一翁、松下幸之助翁を事例に取り上げながら、みんなで考えていきました。
まず初めにに、現在の株主第一資本主義、私益膨脹資本主義の現状と弊害を考えるために、解りやすい事例として、昔インドネシアで問題となった児童喫煙を取り上げました。
アメリカでは健康被害の影響からタバコが売れなくなり、タバコ会社が2億人の巨大市場であるインドネシアに目を付けました。
そこでは、学校の近くに1本から買えるタバコスタンドを設置する等を行い、会社の利益と引き換えに児童喫煙という弊害が生まれました。
これは極端な一例かもしれませんが、現在の西洋型の資本主義はひたすら成長を追い求め、一部の人に利益が偏り、関わるステークホルダー全ての幸福に繋がっていないのが現状かと思います。
人間が物質的な豊かさを追求し続けた結果、人も、動植物も、地球ももたない。有限な地球において、無限に右肩上がりする経済は起り得ません。
それを改善するためにも、公益資本主義、公益経済、公益経営という考え方が、今後は求められます。
しかし、これは実は目新しい考え方ではありません。
本来の経済の意味は、「経世済民」つまり、「世代を超えて人を救うこと」です。一部の人が利益を稼ぎ続ける事、私腹を肥やすことは経済の意味する所ではありません。
また、日本資本主義の父、渋沢栄一翁は「論語と算盤」の中で、仁義(論語)と算盤(利益)は共存すると謳っております。松下幸之助翁も、「世の為、人の為」という崇高な理念がある会社が伸びると仰っております。
このように大切なこと、大切な考えは元来東洋、日本にあったと。そうお伝えさせて頂きました。
一方、「公」を考えると、つまりは社会課題の解決といった事業だと自分は儲からないと懸念する人も多いかもしれません。
確かに短期的には、その通りなのですが、長期的には「公得私損」になります。
つまり、長期的に見れば「公」のことを考えると「自分の得」としてゆくゆくは返ってきて、逆に「私」のことを考えていれば、「自分の損」として後々返ってきます。
これは例えば、自分の時間とお金をかけて、「世の為、人の為」を願って行動し続けると、短期的には自分が損することにはなりますが、一方長期的に見れば、心から応援してくれる人が増えたり、協力してくれたりして物事が成就したり、必ず何かしら自分の得として返ってきます。
少し話がそれましたが、そのような内容をお伝えさせて頂いた後に、具体的に「公益経済を確立」していくための、「公益経営」の在り方として7つのキーワードをお伝えさせて頂きました。
ここでは、内容を割愛させて頂きますが、林先生がご自身の体験や、また経営の神様松下幸之助翁から学んだ内容を基に、
・理念
・本物
・信用
・互恵
・年輪
・上下一体
・感謝
をそれぞれ具体的な事例を交えながらご紹介させて頂きました。
今回の勉強会を通じて、参加者の方からは、
『公益経営7つのキーワードの内「本物」であること、独自性をもっていることが重要であると考え、特に現代では「人間力」こそ差別化の象徴だと考えました。何故なら、現代ではビジネスや趣味までネットやYOUTUBEでノウハウが簡単に学べる時代になっています。そのため、単純な技術の問題では差別化が困難になってきていると考えました。そこで、現代に求められている差別化は「○○さんだからお願い出来る」といった日々の信頼によって積み重ねられた「人間力」によって独自性が発揮されるのではないかと思うようになりました。』
『経世済民で重要な7つの要素。理念、本物、年輪は今の自分の置かれている状況として、新しいビジネスを立ち上げるにあたり頭を悩ませていた所でしたが、改めて重要なことであると気付き、焦らず着実に進めていこうと思いました』
『長期的な幸せを得るためには、「公」を意識して取り組むことが大事と学びました』
というようなコメントを頂きました。この勉強会を通じて、参加者の方の人生が実り多きものとなるための気づきが1つでもありましたら非常に嬉しく思います。
自分は、「志のある人を増やす」ということを志として、林先生から学んだ事を自分の言葉でお伝えさせて頂くために、綜學勉強会を引き続き開催して参ります!!!!
次回は4月23日(土)10時~11時30分で開催し、次は葉隠武士道を学んでいきます。ぜひお気軽にご参加ください。
綜學は生きていく上で、自分の軸となる大切な学びだと思いますので、学生(高校生・大学生)や、20代の方はご自由にご参加下さい。また、周りの方で興味関心がありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ頂けますと幸いです。
我々もまだまだ勉強の途中で未熟者ですので、引き続き真摯に綜學を学び、自分の人間力を磨きながら、少しでも自分の言葉で人に伝えられるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!