青雲の志を抱いて、郷関を出ず/10月論語塾
2021/10/10
論語塾
皆さん、こんにちは!
今年も早いもので、10月になりました。
10月は神無月(かんなづき)と言いますよね。しかし島根県出雲地方では、「神在月(かみありづき)」と呼ばれています。毎年10月になると全国の八百万の神々が、出雲大社へ会議に出てしまうといわれていました。そこで、神様が出かけてしまう国には神様がいないことから「神無月」、反対に神様がたくさんいらっしゃる出雲の国(島根県)では「神在月」と呼ばれるようになったとされています。
出雲大社に集まった神様たちは、人の運命や縁などについて話し合っているといわれています。出雲大社が縁結びの総本山と呼ばれるようになった由来は、ここにあるかもしれませんね。
さて、10月10日(日)には10月の論語塾が開催されました!
講師は三藤先生です。毎回ご自身の経験を交えて論語のお話をしていただきます。
今回は3つの言葉をみんなで素読しました。
「これを知るをこれを知ると為し、知らざるを知らざると為す、これ知る為り(為政十七)」
「曾子曰わく、君子は文を以て友を会し、友を以て仁を輔く(顔淵第十二)」
「仁者は難きを先にして獲るを後にす、仁と謂うべし(雍也第六)」
最初の論語の意味は、
知っていることを知っていることとして、知らないことは知らないこととしましょう。
それが本当の知っている、なのです。
ですが、これを中学アシスタントR君に言わせてみると、
知らないことは、「俺、知らんから恥ずかしいわぁ〜」とか言って、誤魔化さない。
「俺知らんから」と、みんなに隠して、知ってるフリもしない。
知らないことは人に「これって何ていうん?」って聞くことが大切です。
恥ずかしいのは一瞬だけだから、その一瞬を我慢して、何でも知ろうと勉強する、ということ大切です。
知ったかをしないようにしましょう。それが本当の知っていることなのです。
「俺、知らんから恥ずかしいわぁ〜」「これって何ていうん?」「恥ずかしいのは一瞬だけだから、その一瞬を我慢して」こうした関西弁でプチ寸劇を入れるところや、同世代の気持ちを的確に言葉に表している点が素晴らしいと思います。
青雲の志を抱いて、郷関を出ず
(徳を磨いて立派な人になろうとするこころ)
最後に三藤先生からこの言葉を教わりました。
三藤先生は高校生の時に、この言葉と出会って胸を打たれたそうです。
高校生の時の三藤先生は、勉強のやり気が湧かない、何のために生きているのかもわからない、毎日が面白くない、学校やめたい、とずっと思っていたようです。
この言葉と出会った三藤先生は、祖父のことを思い出しました。
三藤先生の祖父は、戦争中、船の船長をしていました。敵の潜水艦に撃沈され、船は沈んでしまいましたが、漁船に助けられ、命からがら日本に戻ってきました。
そんな祖父は、戦後の経済を何とかしたいという思いで、船長として、戦後のアメリカとの国交が良くなっていた時にニューヨーク航路を渡って日本の経済成長を支えていました。
そういった祖父の話を思い出し、三藤先生自身も「青雲の志を抱いて頑張らなくてはならない」と思ったそうです。
言葉は人生を豊かにします。
これからも論語の言葉を学ぶことで、こどもたちが、より豊かな人生を歩んでいけるよう努めてまいります!
次回は今年ラストの回となります。
12月12日に行いますので、ぜひご参加いただければと思います!
よろしくお願いいたします。
それではまた。