お知らせ

「神代のピンチをどう解決したか~日本書紀に学ぶ天照大御神と岩屋戸開き~」第18回松南志塾_綜學勉強会を開催しました!


2022/11/30

本学勉強

こんにちは、松南志塾の豊嶋です!

 

松南志塾のOB・OGである豊嶋(インターン7期)と松葉(インターン11期)で、「綜學勉強会」を学生や20代の方向けに、月に1回のペースで開催しております。

 

この勉強会の開催の背景・目的として、現在私と松葉が綜學院(東京・京都)で月に1回林英臣先生のもとで、松南志塾の原点でもある「綜學」を自主的に学んでいるのですが、そこでの学びや、自分たちが得た気づき等を、学生や20代の若い世代の方々に対して自分のことばでお伝えし、一緒に未来や社会を良くするために切磋琢磨し合いたい!!という思いからです。

 

そして11月26日(土)に第18回目を開催しました。

 

今回は主催者含め5名で開催することができました!!

 

 

ご参加の皆さま有難うございました!!

 

さて、今回のテーマは日本書紀です。

 

①日本書紀とは?古事記の違い

②日本書紀を読んでみよう

③天野岩屋戸開きから学ぶ危機対応の心得ー4つのポイントー

 

という構成で学んでいきました。

 

日本書紀とは?古事記の違い

前回までは中国思想(孔子、老子、韓非子、孫子)を4回に亘ってお伝えして参りましたが、今回は日本書紀です。日本神話、日本思想によって、日本人としての伝統文化・精神・心を育んでいきます。

 

まず初めに日本書紀と古事記の違いについて説明しました。古事記との大きな違いは、古事記は大和言葉を漢字で表現しているのに対して、日本書紀は漢文で記述されています。また、古事記とは違って、日本書紀は対外的(外国)にも示すことができる日本の国史という位置づけですので、客観性を持たせるために様々な文献から引用する形で作られております。

 

よって、「一書に・・・」という表現が多くなっています。古事記の方が、宇宙の生成、地球の誕生、人類の使命という形で、よりストーリー性が高いものになっていますが、国史という扱いでしたので日本書紀の方が広く読まれ、古事記は成立から1,000年以上も一般的に読まれずに封印されていました。

 

日本書紀を読んでみよう

そんな日本書紀ですが、原文及び、現代語訳を一緒に参加者の皆さんと読んでいきながら、ポイントの解説をしていきました。

①宇宙の始まり

②イザナギノミコト、イザナミノノミコトの登場

③天照大御神、月読尊、素戔鳴尊(すさのをのみこと)の誕生

④天野岩屋戸開き

⑤天孫降臨

について、紹介していきました。

 

全ての説明は割愛しますが、最初の宇宙の始まりについてご紹介します。

 

①宇宙の始まり

▼言葉

高天原に生(な)れる神、名(なづ)けて天御中主尊(あまのみなかぬしのみこと)と曰(まを)す。次に高皇産霊尊(たかみむすひのみこと)。次に神皇産霊尊(かむみむすひのみこと)。

 

▼現代語訳

高天原(宇宙の高貴な広場)に、天之御中主尊が現れ、次に高皇産霊尊(たかみむすひのみこと)。次に神皇産霊尊(かむみむすひのみこと)が現れました。

 

▼ポイント

古事記と同じような内容ではありますが、古事記はタカミムスヒノカミですが、日本書紀はタカミムスヒノミコトとなっています。このように古事記と日本書紀は、見ていくと、同じようなことを言っていても、互いに異なる表記・表現になっている所が幾つか見受けられます。

 

天野岩屋戸開きから学ぶ危機対応の心得ー4つのポイントー

その後、物語が進みまして、天照大神(太陽神)が誕生します。

 

その天照大神が、岩に隠れてしまい、世界が真っ暗になった危機的状況において、周りの神々が自分達にできることで、何とか天照大神を出すことができたというのが、有名な「天野岩屋戸開き」です。

 

そのピンチを打開した「天野岩屋戸開き」から、様々な問題を抱えて生きる我々が得られる「危機対応の心得」として、林英臣先生から教えて頂いたポイントを4つ紹介いたしました。

 

日本を含む世界中が危機的な状況、世界一面、辺りが暗いのが実状ですが、この日本書紀(及び古事記)の中にも、同じように危機的な状況がありました。その危機的状況を如何に打開したのか?歴史に学ぶことで、これからの未来を切り開くことができるのではないかと思っています。

 

①固有の役立ち能力を発揮する。

沢山の神々が自分達にできることで、状況を打開していきました。力のある神様は岩を押し明け、踊りが得意な神様は踊りました。

我々人間も1人1人天分・天性(長所)が必ず与えられています。それを世の為、人の為に活かしあいながら、そして足りない部分はお互いに支え合い・補い合いながら、困難に立ち向かうことが大事ということを、この岩屋戸開きから学べると思います。

 

②楽天観を持つ

能天気と楽観的は異なります。能天気は、危機を危機とも感じない状態です。楽観的とは、危機を認識しつつ、準備を備え、『これで大丈夫』とポジティブに捉えることです。

今の日本と世界の危機的な状況を捉えつつ、自分達1人1人にできることを準備しながら、『きっと大丈夫』とポジティブに捉えることが非常に重要になります。

 

③復活の宣言を先に出す

岩屋戸開きにおいて、まず最初に夜明けを知らせるニワトリが鳴きました。(鳴かせました)

何事も、まずは先にに宣誓することが大事です。アメリカ独立宣言も、宣言が出された時には、反対派・懐疑派等、多数おりましたが、宣言が出された後に賛成派が急増していきました。

日本では、言葉に魂が宿るとか、言霊とか言いますが、言葉にはそれ自体に力が宿っています。

ですので、悲観的な言葉を発するのではなく、ポジティブな言葉をまずは宣誓することが非常に重要になります。

 

④笑い(わらい)は祓い(はらい)である。

ピンチの時に、アマノウズメノミコトの『セクシーダンス』を見て神々みんなで大笑いしたシーンがありますが、笑いは、『祓い』とも言います。ピンチな時こそ笑う。笑うことで、自分も人も元気になる。事実、笑うことで免疫力を高めることができると科学的にも立証されていますので、危機的状況の時こそ、楽観的に将来を見据え、笑うこと。それが重要ということを、この天野岩屋戸開きから学ぶことができるのかなと思います。

 

このような形で日本書紀を若い方々と一緒に学んでいきました。とある参加者の方からは、

 

『日本の神話には日本、そして世界をよりよくするためのヒントがたくさん散りばめられていることを改めて学ぶことができました。初心に立ち帰る意味でも、時間がある時にもう一度日本の神話に触れてみようと思います』

というコメントを頂きました。とても大切な学びがあったようで嬉しいです(^^)/

 

次回12月は主催者都合でお休みとなり、新年明けて2023年1月21日(土)10時~11時30分で開催し、次も日本人として必学の『聖徳太子』、『十七条憲法』を学んでいきます。こちらも大切な学びとなりますので、ぜひお気軽にご参加ください。

 

綜學は生きていく上で、自分の軸となる大切な学びだと思いますので、学生(高校生・大学生)や、20代の方はご自由にご参加下さい。また、周りの方で興味関心がありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ頂けますと幸いです。

 

我々もまだまだ勉強の途中で未熟者ですので、引き続き真摯に綜學を学び、自分の人間力を磨きながら、少しでも自分の言葉で人に伝えられるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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