お知らせ

「陽明学で眠った魂に火を灯す!」第10回 松南志塾_綜學勉強会を開催しました!


2022/01/30

本学勉強

こんにちは、松南志塾の豊嶋です!

 

松南志塾のOB・OGである豊嶋(インターン7期)と松葉(インターン11期)で、「綜學勉強会」を学生や20代の方向けに、月に1回のペースで開催しております。

 

この勉強会の開催の背景・目的として、現在私と松葉が綜學院(東京・京都)で月に1回林英臣先生のもとで、松南志塾の原点でもある「綜學」を自主的に学んでいるのですが、そこでの学びや、自分たちが得た気づき等を、学生や20代の若い世代の方々に対して自分のことばでお伝えし、一緒に未来や社会を良くするために切磋琢磨し合いたい!!という思いからです。

 

そして1月29日(土)に第10回目を開催しました。今回は林英臣政経塾で綜學を学ばれておられます、鎌倉市の松尾市長にもお越しいただきました。(松尾市長ご多用の中誠にありがとうございました!)松尾市長には何度かご参加いただいておりますが、松南志塾のファウンダーである南出賢一市長の同志の方なんです。

 

そこで、松南志塾で培ってきた教育活動を、今後は鎌倉市でも展開できるよう我々の勉強会にご参加いただいている次第です!

 

今回は主催者含め、なんと12名で開催することができました!!記念すべき10回目。回を重ねるごとに、参加者の学びの深まりと、また勉強会のじわじわとした広がりを感じてきております。

 

 

お越しいただきました皆さま本当に有難うございました!!

 

早速本題に入りますが、綜學は何度もお伝えしてきております通り、知(文明法則史学)、情(国学・大和言葉)、意(東洋思想、武士道精神)の3本柱で構成されております。で、今回は最後の柱となる「意」の学問になります。

 

今回も、第9回目に引き続き「意」の内容、つまり東洋思想、武士道精神がテーマでした。

 

「意」の学問をしっかりと学び続けていくことで、自分の人間力を磨き高めたり、志を定めることができます。

 

今回はそのような東洋思想、武士精神の中でも、王陽明の教え(陽明学)と、その陽明学に基づいた佐藤一斎の教えに焦点を絞ってお伝えさせて頂きました。

  

幕末志士を数千人(!!)指導したのが佐藤一斎で、また佐藤一斎が教えていたのが、中国の思想家である王陽明が唱えた「陽明学」でした。

 

陽明学や、佐藤一斎の教えは行動哲学です。学問を深めて志を定め、己を磨き、世のため人のために生きることを説いております。

 

内容を読んでいくと、まさに『魂に火を灯す』そういう熱い・情熱的な学びだと感じています。

 

なぜ彼らの教えが今必要なのか?それは時代背景がカギとなります。

 

「知」の文明法則史学でもお伝えしましたが、世界には大きく西洋文明と東洋文明に分かれており、これらは800年ごとに盛衰が入れ替わっております。

 

その時期(文明交替期)が、1975年~2075年頃(の100年間)になります。その中でも特に2025年~2050年が大激動の時代になると考えられております。

 

つまり、このような大激動の時代にあって、社会が大混乱に向かっていく中、自分自身の確固たる意志を以て、世の為、人の為に生きていけるような、志を貫くリーダー、特にこれから活躍する若いリーダーの誕生が求められます。

 

そういった時代背景から、明治維新期の幕末志士を数千人誕生させた佐藤一斎の教え、またその元となる陽明学の学びというものが非常に重要になってくるわけです。

 

まず初めに、陽明学を提唱した王陽明の経歴や、どのように「陽明学」の提唱に行きついたのかについてご紹介させて頂きました。

  

その後、王陽明の教えについて合計5つご紹介させて頂きました。

 

①知行合一

②事上磨錬

③生き生きと沸き立つ心を持つことが大事

④すべては志から始まる

⑤明徳・親民・至善と「志」

 

全ての紹介は割愛しますが、⑤について簡単にお伝えさせて頂きます。

 

縦軸の「明徳」は人間が本来持っている良知、つまり人間性、精神性、道徳性を意味しています。それを磨き養っていく方向が縦軸の上方向になります。一方横軸の「親民」は、社会性を意味しています。これは自分の解釈も含まれますが、実社会の中で、社会的な能力やスキルを磨きながら、社会で活躍をしてく方向が横軸の右方向となります。

  

道徳性は高いけれど、社会性が低い状態(図の左上)は、山に籠って修行をし、社会との関りがない様子、また磨いた明徳(良知、人間性、精神性)というものを社会で生かせていない、発揮できていない様子を表しています。

 

これに対して王陽明は、磨かれた人間性というものは、社会で生かされた方がより良いし、また「真の人間性」というものは社会との関りの中で磨かれると考えています。確かに、小乗的に自分だけが精神を安定させて自分だけが救われるのも、それはそれで良いかもしれませんが、人の役に立ち感謝されてこそ、社会との関りで生きてこそ、真の精神的な安定が訪れるものと感じています。

 

また「仁」=「思いやり」も、左側は「にんべん」、右側は2を意味しているように、人間同士のかかわりの中で育まれていく様子を意味しています。ですので、このような漢字の側面からも、真の人間性、精神性、道徳性とは、社会性の中で育まれるのではないかと感じています。

 

ですので、やはり図の左上ではなく、右上が理想なんだと感じます。

 

さらに、社会性が高いけれど、精神性が低い場合は右下のイメージになります。これは、社会的な能力やスキルが優れていて、社会で実力を発揮している・成果を上げているけれども、一方で人間性が育っていない状態になります。

 

例えば、仕事がめちゃくちゃできる社長によって一応業績は伸びているけれど、その裏でパワハラ・恐怖政治で社員が疲弊しているような状態でしょうか???

 

これもまた、大きな事業として展開するためには、どこかで限界が来るような気がします。(社員が辞めるとか、応援してくれる取引先や株主がいなくなるとか)

 

ですので、「真の社会性」を発揮(つまり社会的な能力やスキルによって社会で大いに活躍する)ためには、人間性も同時に磨かれていないといけないのではないかと個人的にも思います。

 

ですので、王陽明は、こちら側の視点においても、社会性だけがあっても(図の右下)ダメで右上を目指さないといけないと説いています。

 

このように、明徳(人間性、精神性、道徳性)と、親民(社会性)を両方伸ばしたその先に、最高善に至り(至善)、またそのような状態を理想として、その方向に志を定めることが重要だということになります。

 

今後、自分自身が志を定める上では、その志が「明徳」と「親民」の両方を高められるものとなっているのか、例えば、自分だけが精神的に救われれば良い、自分だけが社会で力を発揮してお金を稼げればよいというものになっていないかどうか、参考になる内容かと思います。

 

その次に、これらの王陽明の教えである「陽明学」をベースに、幕末の志士たちを指導した佐藤一斎の概要と、その教えの中から、8つほど学んでいきました。

 

 

①発奮せよ

②学問の目的は自己確立と立志

③本当に自分がやるべきことを考える

④古今第一等の人物を目指せ

⑤若い内に学問をして志を立てる

⑥気づきと置き換えの大切さ

⑦幸福感の違い

⑧努力と運で成功する&運を高めるコツ

 

若い方に刺さるような内容を主催者側で必死に考え、厳選した内容の8つです!

 

このうちの1つ④を簡単にご紹介させて頂きます。

  

実際の言葉

世間第一等の人物と為らんと欲するは、其の志小ならず。余は則ち以て猶お小なりと為す。世間には生民衆(おお)しと雖も、而も数に限り有り。前古(ぜんこ)已(すで)に死せし人の如きは、則ち今に幾万倍せり。(中略)

是に於て我が為したる所を以て、諸(これ)を古人に校(くら)ぶれば、比数するに足る者無し。是則ち愧(は)ずべし。故に志有る者は、要は当に古今第一等の人物を以て自ら期すべし。

 

現代語訳

「今の時代で名を残す人」になろうとするのは志が小さいとは言わないが、まだ小さいと私は断言したい。この世の中に生きている人が多いとはいっても、その人口には限りがある。過去すでに亡くなった人は、今を生きている人の数倍である。私が今までなしたことと、過去の偉人とは比べ物にはならない。これは恥ずかしいことである。なので、志を立てる人は、「歴史に名を残す人」を目指すべきである。

 

ここから読み取れる示唆、ポイントとしては、1度きりの人生、しっかりと志を定め、またどうせ生きるなら、今の時代で名を残すレベルにとどまらず、古今第一等の人物、つまり「歴史に名を残す人」を目指すべきである。ということになります。

 

ではどうやったら歴史に名を残せるのか?これは自分なりの解釈になりますが、志をもって、より良い未来を残すために、世の為人のために今自分が生きている時代を精一杯に生きた人ではないでしょうか?

 

 

つまり、未来を残した、未来を創った人だからこそ、後世の人に尊敬され、覚えられ、歴史に名を刻んでいくのだと感じています。自分はまだ今の時代にすら、何も名を残せるようなことを成し遂げていないので、このような佐藤一斎翁の言葉を胸に、志に生きようと、そう感じました。

 

 

今回の勉強会を通じて、参加者の方からは、

 

『志を持つことの大事さを学んだ』

 

『原大本徹=志を定めるワークに是非取り組みたい』

 

『徳を積んでも自分の代に「得」として直ぐに返ってくることは無いと思うので、自分の子孫などの世代に返ってくるという長期的な目線で、考えることが大事だと思いました』

 

『世の為に何か成し遂げるには、社会的・道徳的どちらのバランスも必要であることが記された「明徳・親民・至善」のグラフは1番興味深かったです』

 

『自分に今必要なことが学べた。このような勉強会にご縁で参加できて本当に良かった』

 

『「自分の志」に対する日々の思いの薄さを感じることができて良かった』

 

『バイトで困難なことがあっても、事上磨練と捉えて、前向きに取り組もうと思った』

 

というようなコメントを頂きました。この勉強会を通じて、参加者の方の人生が実り多きものとなるための気づきが1つでもありましたら非常に嬉しく思います。

 

自分は、「志のある人を増やす」ということを志として、林先生から学んだ事を自分の言葉でお伝えさせて頂くために、綜學勉強会を引き続き開催して参ります!!!!

 

次回は2月19日(土)10時~11時30分で開催し、引き続き東洋思想についてお話させて頂きます。昭和の歴代首相が師として仰いだ安岡正篤先生について学んでいきます。

 

今回に引き続き魂に火をつけるには、うってつけの内容ですので、『何か一歩踏み出す行動ができない』というような方、ぜひご参加ください。

 

綜學は生きていく上で、自分の軸となる大切な学びだと思いますので、学生(高校生・大学生)や、20代の方はご自由にご参加下さい。また、周りの方で興味関心がありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ頂けますと幸いです。

 

我々もまだまだ勉強の途中で未熟者ですので、引き続き真摯に綜學を学び、自分の人間力を磨きながら、少しでも自分の言葉で人に伝えられるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 

以上です。(^^♪

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