お知らせ

「大和言葉からひも解く日本思想の奥深さ」第7回 松南志塾_綜學勉強会を開催しました!


2021/10/28

本学勉強

こんにちは、松南志塾の豊嶋です!

 

松南志塾のOB・OGである豊嶋(インターン7期)と松葉(インターン11期)で、「綜學勉強会」を学生や20代の方向けに、月に1回のペースで開催しております。

 

この勉強会の開催の背景・目的として、現在私と松葉が綜學院(東京・京都)で月に1回林英臣先生のもとで、松南志塾の原点でもある「綜學」を自主的に学んでいるのですが、そこでの学びや、自分たちが得た気づき等を、学生や20代の若い世代の方々に対して自分のことばでお伝えし、一緒に未来や社会を良くするために切磋琢磨し合いたい!!という思いからです。

 

そして10月23日(土)に第7回目を開催しましたが、キャンセル等もありまして、私と松葉の主催者2名のみとなってしまいました!(笑)

 

ですが、後々録画を見て下さる方のために予定どおり開催させて頂きました(^^)/

 

今回は、「大和言葉 応用編」ということで、大和言葉からひも解く日本思想についてお話させて頂きました。

 

綜學は、知情意の3本柱で構成されておりますが、今回は日本人としての感性を養うための「情」の学問になります。

 

 

『日本には文化があるが、思想・哲学はない』というのが通念(らしい)のですが、みなさんはどう思われますでしょうか?

 

元々何か考えや、思想・哲学があり、それを伝えるために言葉が発達したと考えられます。ですので、言葉=思想であり、各民族が話す言葉の中には、民族が大切にしてきた思想・哲学・価値観が込められています。

 

今回は、大和言葉に込められた日本思想・哲学・価値観について、合計8つお話させて頂きました。その内の幾つかをご紹介させて頂きます。(マコト、アマ、ミナカ、クミ、ムスヒ、イノチ、メヲト、チスヂ)

 

 

①クミ

『クミ』という大和言葉から、日本的な組織観を垣間見ることができます。『クミ』という大和言葉は、中心(ミナカ)があり、縦(中心から部分に伸びる)と、横(部分同士が繋がる)が組み合わさっていることを意味しています。

 

分かりやすいように会社を例に考えてみましょう。

 

社長の志や会社の理念が中心(ミナカ)であり、縦(社長の志が1人1人の社員と繋がっている)と横(社長の志を軸に、部門同士、社員同士が連携し合っている)が、有機的に組み合わさっている状態を『クミ』と呼びます。

 

さらに、粘土でイメージすると分かりやすいと思いますが、粘土を作る時に、手足、頭をバラバラに作った後に、胴体にそれらをくっつけようとしても、くっ付かずに『ポロ』っと落ちてしまいませんか?でも、まず胴体の塊(中心)があり、そこから手足、頭(部分)を中心から伸ばして作っていくと、全体としてまとまりのある粘土作品ができますよね。

 

 

それと組織も同じ考えです。まず中心(ミナカ)があって、縦と横が『クミ』されることで有機体として纏まることができます。

 

今の日本社会では個人主義がはびこっていて、中心を尊んで縦と横が『クミ』されるよりも、部分同士が個々に繋がるようになってきています。しかし、伝統的な日本の思想・哲学に基づく組織観からすると、中心(ミナカ)があって、縦と横に組まれることで、組織としての一体感、纏まりが生まれると考えます。

 

勿論、サロン(コミュニティ)のように、何か共通の目的を持つ活動体でなければ、『ミナカ』や、『クミ』は必要ないかもしれませんが、何か会社などの目的を持った組織を作る場合は、まずはブレない中心(ミナカ)を定め、『クミ』されることを意識して、組織設計してみてはいかがでしょうか?(^^)/

 

日本には日本が大切にしてきた価値観があり、またそれが民族の特性として今でもフィットするんじゃないかと思っています。

 

不易流行。大切に守るべき価値観と、時代に合わせて変化させるべき価値観があると思いますが、このような中心(ミナカ)を尊び、そして中心を軸として『クミ』される価値観は、日本という国が共同体として一体感を成す上で重要だと私は考えています。

 

②ムスヒ

次は、『ムスヒ』という大和言葉に込められた「日本的な宇宙観」についてお話させて頂きました。

 

大和言葉で、「ム」という言葉には、ウの段が意味するようにエネルギーを閉じる働きが込められており、そこから一気に『エネルギーを産出する』という意味が込められています。「蒸す」とか、「産む」とかでも使われていることからも分かりますね!!

 

 

次に、『ス』という言葉は、細く前に進む意味があります。「洲(す)」、「進む(すすむ)」、「鋭い(するどい)」等で使われていることからも連想されますよね。

 

そして、『ヒ』という言葉は、「火(ひ)」、「陽(ひ)」、「日(ひ)」等で使われていることから分かりますように、エネルギーを意味しています。

 

つまり、『ムスヒ』という大和言葉が持つ意味は、『エネルギーの生成力・産出力』なんです。例えば、女(陰)と男(陽)の2つのエネルギーが合わさることで、新しい命(エネルギー)が誕生することから、男女のご縁のことを『ムスビ』と呼んでいますね。

 

この『ムスヒ』の持つ意味を知っていれば、日本の原点ともいえる「古事記」の冒頭部分を読むことができるんです。

 

古事記冒頭

『天地(あめつち)初めてひらけし時、高天原に成れる神の名は、天之御中主神(アマノミナカヌシノカミ)。次に、高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)。次に、神産巣日神(カミムスヒノカミ)」

 

宇宙の始めには、アマノミナカヌシノカミ(宇宙全体の根源)があり、そこからタカミムスヒノカミ(陽のエネルギー。ビックバンの作用)と、カミムスヒノカミ(陰のエネルギー。ブラックホールの作用)があったということなんですね。

 

 

つまり、『宇宙には中心があり、陽と陰のエネルギーの産出によって、宇宙が生成発展していきました』ということが書かれているんですね。

 

当時は、まだ宇宙科学の分野は一切進んでいない中で、宇宙生成の原理を掴んでいたってすごくないですか??(笑)

 

今は、都市部に住んでいると、宇宙とか自然とかを考える機会はないですが、昔の人は今よりも科学は発達していなくても、鋭敏な感性を持っていたんですね。

 

ポーランドの名門ワルシャワ大学名誉教授のコタンスキ博士も、『古事記で書かれた大宇宙の真理、これを越えるものは地球上にまだ現れていない』と仰っているらしく、いかに我々の先人が書いた古事記が素晴らしいのかということが分かります。

 

古事記は日本の神話であるのみならず、宇宙と地球、人類の誕生を描いている点においては、人類の根本神話と言っても良いほど、素晴らしい内容なんですね。

 

自分は元々、古事記について一切興味もなく、内容も知りませんでしたが、知れば知るほどその奥深さに魅了されています。

 

次回の勉強会では、この古事記についてお話させて頂く予定ですので、ぜひ興味がある方は是非ご参加下さい。

 

自分は、「志のある人を増やす」ということを志として、林先生から学んだ事を自分の言葉でお伝えさせて頂くために、綜學勉強会を引き続き開催して参ります!!!!

 

次回は11月27日(土)10時~11時で開催し、古事記についてお話させて頂きます。

 

今回少し触れましたが、古事記の冒頭部分で描かれている宇宙の生成、地球・人類の誕生は、日本神話の範疇を越えて、人類の根本神話ともいえるほど素晴らしい内容です。

 

日本人としての感性を見つめ直し、養う上で非常に大切な学びとなっております。ご関心がある方は是非お気軽にご参加ください。

 

綜學は生きていく上で、自分の軸となる大切な学びだと思いますので、学生(高校生・大学生)や、20代の方はご自由にご参加下さい。また、周りの方で興味関心がありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ頂けますと幸いです。

 

我々もまだまだ勉強の途中で未熟者ですので、引き続き真摯に綜學を学び、自分の人間力を磨きながら、少しでも自分の言葉で人に伝えられるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 

以上です。(^^♪

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